相づち「なるほど」を繰り返す人は損している?!
2022年11月20日
接客ロールプレイングコンテストや販売研修、またマネジメント研修に於けるロールプレイングなどを通じ、多い年は年間500名以上の指導や審査をしています。この生活を20年以上続けている中、10年程前から気になる相づちがあります。それは「なるほど」です。特に、男性スタッフが多く活用しています。
・お客様の来店目的を伺ったあとの「なるほど」
・お客様のこだわりをヒアリングしたあとの「なるほど」
・お客様のお困りな点をヒアリングしたあとの「なるほど」
など、中にはこの「なるほど」を5分間のロールプレイングで10回以上連呼する人もいます。そして、この「なるほど」は、接客のロールプレイングだけでなく部下指導のロールプレイングでもよく見られます。
・部下の悩みを聞きながら「なるほど」
・部下の目標をヒアリングしたあと「なるほど」
・部下から今後のプロセスについて聞いたあと「なるほど」
「なるほど」は上司が使う相づち
このように、さまざまな場面で便利に活用できる「なるほど」という相づち。
本来は上司が部下との対話で活用する相づちだと言われています。部下の意見や提案などを聞くときに、肯定も否定もしない「なるほど」の一言は、上司にとっては使い勝手の良い相づちでした。
ところが、いつの間にかお客様への相づちとして使われるようになり、部下が上司の話しを聞きながら「なるほど」を普通に使うようになりました。
ですが、管理者研修などでは、部下から「なるほど」と言われると不快に感じる・違和感を覚えるといった声を意外とよく聞きます。多分、この方たちは社会人になってから、ずっと上司に「なるほど」と言われてきたのでしょう。
「なるほど」を辞めると語彙力がアップする?!
では、「なるほど」は上司だけしか使うことが許されないのかと聞かれれば、私は講師として使う場面と音声表現に留意しながら使ってくださいと答えています。
そして、できれば「なるほど」を使う頻度を減らしましょうと付け加えています。
なぜなら、「なるほど」は一度使い始めると便利なため、多くの場面で使うようになります。結果、相づちのバリエーションが無くなり会話力が低下する要因にも繋がるからです。
相づちは会話の潤滑油!
「私はあなの話しをしっかり聞いています」「あなたの話しに興味があります」ということを相手に伝えるためには必要なものです。バリエーション豊かな相づちで傾聴をすれば、相手も安心し気持ち良い会話をすることに繋がります。
しかし、同じ相づちを連呼すれば、急かしている印象を与えるだけでなく、「伝わっているのかな?」「私の話しつまらないのかな」と不安にさせてしまう恐れがあります。つまり、会話も弾みづらくなってしまうのです。対ヒトと上手くコミュニケーションを取れるようにしたい、お客様と楽しく会話したい人は、先ずは「相づち」のバリエーションを豊富にしましょう!
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